APRESIA Technical Blog

バージョンアップ作業自動化事例紹介       (株式会社エネルギア・コミュニケーションズ様)

はじめに

  • 「APRESIA テスト自動化システムのご紹介」において社内検証用の自動化システムについて紹介させていただきましたが、今回はお客様のネットワーク環境におけるバージョンアップ作業に本システムを活用していただいた事例として紹介させていただきます。
  • 株式会社エネルギア・コミュニケーションズ様(以降、エネコム様)におかれましては、サービスプロバイダ向けスイッチとしてApresia16000シリーズやApresia26000シリーズなどを導入していただいております。

バージョンアップ作業ツールの特徴

① バージョンアップ作業前に各局舎、装置毎に下記のように装置構成が異なる作業手順書の変更作業の間違い防止を図れる
·ラインカード種別
·ラインカードの接続ポート
·LAG_ID
·運用のLAG本数

② バージョンアップ作業時に作業手順書に従ってのコマンドの手入力、目視チェックを行う必要があるが、通信断が発生しないように慎重に確実に確認する必要がある。
(間違い発生のリスクがある)通信断回避のために、LAGプライオリティ変更による回線片寄せの自動実行によりラインカードのバージョンアップ作業を容易に実現できる。

③②の作業を確認メッセージに沿って正常性を確認することで、確実に作業を完了できる

バージョンアップ作業ツールの特徴(詳細)

バージョンアップ作業ツールの特徴(詳細)を下記に示します。

① パラメータシートの導入
·図1のようなシートにより局舎ごと(自局~対向局)の装置構成に合わせて、バージョン番号、ラインカード種別、実装スロット番号、LAGにおけるポート構成などの情報を変更するだけでバージョンアップ作業のためのシナリオの作成が容易にできます。
·一度パラメータシートを使用してシナリオを作成してしまえば、各装置のパラメータ情報のみを 変更すれば、共通的に使いまわしをすることができます。

② 回線切り替えによるバージョンアップ作業の自動実行
·下図のフローの流れでバージョンアップ作業の自動実行を実現します。

③フェーズゲートメッセージ メニューの導入
下図のように自身でメッセージを作成しつつ、シナリオ内のstep処理を実行する/しないの判定を行い、次のstepに進めることができます。

エネコム様からの導入後の声

エネコム様におかれましては、本ツールを使用してバージョンアップ作業を実施していただきました。作業後の声をいただきましたので以下にご紹介いたします。

①膨大な量の作業手順書を利用していたが、パラメータシートに、ホスト名、IPアドレス、実装されているラインカード等の情報を入力するだけで、バージョンアップ作業の自動化シナリオが作成できるため、作業手順書の簡略化ができた。
②バージョンアップ作業時に、作業者がコマンドを手入力しコマンド実行結果が正しく動作しているか目視チェックする必要があり作業者の負担が大きかったが、自動化シナリオからコマンドが自動入力され、コマンド実行結果も自動チェックしているため、作業者の負担が軽減した。
③バージョンアップ作業の作業準備から作業終了まで、1台当たりのバージョンアップに多くの工数がかかっていたが、本ツールを導入することにより作業の効率化を実現することができた。
④自作のツールは装置構成に合わせた作業しかできなかったが、本ツールは装置構成などシナリオ修正が容易に行えるため、汎用性が高い
⑤将来的には、本ツールの自動化シナリオで装置から設定情報等を取得しパラメータシートの自動作成が実現すれば、更なる作業の効率化が可能となる。

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